ツンデレ彼氏をデレさせろ。



ー玲奈の返事は、“No”だった。



俺らから見れば、
それは、有り得ない事実だった。



彼女だって、遼のことを好きだと、
俺らは気が付いていたから。ーーー



俺なんて、頻繁に玲奈に
遼と間違われたことがある。



玲奈の表情だって、
俺や零斗といるときと
遼と一緒にいるときでは、
全く違ってた。



遼が来れない日は、
『遼、何してんのー?
遼今日来ないのー?』
って、つまんなそーに訊いていた。



玲奈だって。
口を開けば、
『遼!遼!!」だった。



ーなのに。



ー玲奈は、遼を振ったんだ。



遼は、
『やっぱ、今更恋愛感情で
俺を見るなんてこと、
できないってさ。



そりゃ、そうだよな。
俺は、二宮・棗家と一緒に
育ってきた。
3人の身内みたいに。
なのに、今更、
恋愛感情で見てくれ、
好きなんだって、
無理に決まってるよな。』



って、切なく笑ったんだ。



『でも、俺、玲奈が好きなんだ。
少しでもいい、
玲奈が生きてる時間、
少しでも多く…、玲奈の傍にいて、
玲奈と一緒に生きたいんだよね。



本当、懲りねえよな、俺。』



そういう遼は、
認めたくなかったけど、
俺から見て、
本当にカッコよかった。





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