ツンデレ彼氏をデレさせろ。
無事に爽が来る前に掃除終了!
…汚かったら、また、
『綺麗にしときなさいよ。』
って、爽に
呆れ叱られちゃうもんね…。
爽が来て、
母と三人で夕食を食べていた。
「菜子、
相変わらず忙しそうねー。」
ーと、私の母が爽に話しかける。
(菜子とは、爽のお母さんのこと。)
「あー、はい。
本当、
忙しそうに走り回ってますよー。」
菜子さんは、編集者。
(内容は、探偵に近い)
事件などの真実を追い求めて、
それを読んでいる皆に
“真実”を伝えることを信念としている
すごくすごくカッコいい
爽のお母さん。
「爽ちゃんは、
お母さんの仕事を継ぐの?」
「あー、母より、父ですかね、
就きたい職業は。
一応、進学もそっち方面で
希望してます。」
「あら!そうなの!
それじゃ、
菜子は、寂しがるわねー。」
そう言って、
クスクス笑うお母さん。
爽のお父さんは、刑事。
爽のお父さんとお母さんは、
事件現場で出逢ったらしい。
初めは、どちらが事件の真実に
正確に辿り着けるか勝負してた
みたいだけど、
爽のお母さんの
明晰さと一生懸命さに
爽のお父さんが惚れ込んだらしい。
そして、夫婦だけど、
現場では、今尚、ライバルみたい。
「爽ちゃんは
将来決めてるのよねー。
すごいわあ。
朔は、まだ
決まらないみたいでね。」
そう言って、チラッと私を見る母。
「まだ、やりたいことが、
わからないんだもん。」
私がそう言うと、
「自分のやりたいこと、
探せる時間があるって
羨ましいことだよ。
私は、あんまり、そーゆー時間、
なかったから…。
今のうちにしっかり悩んで
後悔ないように、
やりたいことをやろう。」
爽のフォローに
すごく嬉しくなって、
「うんっ!!!」
ーと、勢いよく頷くと、
クスリと母が笑った。