ツンデレ彼氏をデレさせろ。

CASEⅡ ヤキモチ妬かせ!!作戦。




「ヤキモチ妬かせてみれば?」



ーサバイバルな鬼ごっこから
数日経ったまたある日。




そんなことを言い出した爽。



「は?」



「だってさー、
私が朔を本当に誰もが惚れちゃうくらい
可愛くしてあげたってゆーのにさ。
棗は、密着までしといて、
手を出すどころか、
キスすらしないって、
本当にどーゆーことよ。」



ーそんなことを言いながら、
ブツブツ腹を立てている様子の爽。



「そんな、褒めても何もならないよ?
別にカワイイとも、
李斗から褒められてないし。
カワイイって、
思わなかったんでしょ。」



「そんなことないっ!!!
朔はカワイイよっ!!!」



「お世辞をありがとうございます。」



「お世辞じゃないのに。」



ーはぁっと溜息を吐く爽。



「ここまで朔が謙遜しちゃうのは、
確実に棗のせいだよね。



………あ!いいこと思いついた!!」



ー意味わからないことを言い出した爽を
もう、放っておこうとすると、
変な思いつきが浮かんだようで…、



「深津ーーー!!!」



ー教室で男子たちと話していた深津を
爽は大声で呼んだ。



ーこーゆー場合の爽の、
『いいこと思いついた』は、
過去に本当にいいことだった試しが無い。



「……………。」



だから、私は、
言い知れぬ恐怖を感じていた。






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