ツンデレ彼氏をデレさせろ。
「え、ま、それは、マジ勘弁!」
深津も李斗のその声色を
読み取ったらしく、
焦っている様子。
「じゃ、帰れ。また明日。」
「あ、はい!帰ります!!
さいならーーー!!!」
慌てて、自分の家の方向へ向かう深津。
漸く、李斗と二人になれた。
ーそれが。
二人とも深津に疲れたのか、
何も話さず沈黙で歩き始めた。
「あ、ちょっと先行ってて。
遼に言い忘れたこと思い出した。」
「えっ!?」
李斗はそんなことを言い出して、
私が反応した頃には、
もう彼は来た道を戻っていた。
「はぁ…。」
なかなか李斗と会えなくて。
それがやっと会えたのに、
深津に邪魔されて。
やっと深津がいなくなったのに、
今度は李斗と上手く話せなくて。
そしたら、李斗はいなくなっちゃうし。
李斗の傍にいたいのに…。
そう思いながら、
トボトボ歩いていた。