ツンデレ彼氏をデレさせろ。
「なんか、今日は大変だったねー。」
稽古からの帰り道。
今日も李斗に送ってもらってます。
「朔がそれを言うか?」
…あ、貴重。
メッチャ笑顔。
しかも私の頭をぐしゃぐしゃにする
という特別行為つき。
「今日もありがとうございました。
じゃ、また明日。」
そう言って上機嫌で
私は家に帰ろうとした。ら。
ーガシ。
ーコツン。
「!!!」
何故!!!!!
李斗の顔がどアップで!!!!!
目の前に!!!!!
李斗に腕を掴まれて
そのまま引き寄せられて、
私の額と彼の額がピッタリと
くっついていた。
「いつもの、言ってよ。」
何!?!?!??
こんな李斗見たことない!!!
まるで、
捨てられた仔猫みたいな瞳で
私にせがむ李斗。
「り、りりりりり李斗…!?」
迫ってくる李斗。
こんなこと経験したことない私は
ひたすらタジタジ。
だけど。
「早く。」
強く迫られて、
いつもの調子でできるわけもなく。
「り、…と。…すき………。」
「クス。」