ツンデレ彼氏をデレさせろ。



「明日も来るだろ?」



明日は、土曜日。
いつもなら、レモンの砂糖漬けを
持って、李斗の剣道の練習を見に行く。



ー今週もそのつもりだった。



けど、こんな確認みたいなことを
されるのは、初めてで。



すごく嬉しい反面、
李斗を試したくもなった。



「来て欲しい?」



ーこんな会話が出来るなんて、
有り得ないに等しい。
だって、今迄、こんな会話したことない。



「…別に。」



いつものように稽古終了後に
私を家まで送ってくれた李斗は、
自分の家に帰ろうと、
来た道を戻ろうと私に背を向けた。



ーけれど、私は、見てしまった。



李斗の顔が赤いことを。





< 50 / 207 >

この作品をシェア

pagetop