僕と君の365日
「桃琉!」
焦った声が聞こえたのはその数秒後。
「来て!」
「へ...」
美琴が突然やって来て私の手を引っ張り走り出す。
「あ、美琴......速いねんな....」
「桃琉も速い。」
「二人ともいってらっしゃい。」
都騎、陽信、左京の声がしたけど返事をする事もできずにただただ走っていた。
「待ってよ。姫宮さん。」
「っ.....」
目の前に現れたのは三人よりも高い身長。ふんわりしたウェーブがかかった灰色の髪。
かっこいい.......
「どいていただけるかしら。私たち先を急いでいるの。」
「まぁまぁ、落ち着いて。こっちは榑井さんに用があるんだから。」
「残念だけどその用に付き合ってる暇はないわ。」
二人の間にはただならぬ緊張感が漂っている。
そんな中、かっこいい人はクスッと笑った。
「そんなに難しい顔はしなくていいよ。まぁ、いいや。あいつも追い付いてないし。また今度出直そ........って、今、着いたのかよ......」
後ろにはもっと背が高い人がいた。
「......-----や。」
その人の発した言葉は美琴が走り出したことによってかきけされた。