ヒット・パレード
「アンタ、まさか《水曜サスペンス》程度のドラマで片付けようと思っているんじゃないだろうな?
冗談じゃない!開局50周年のドラマをそんな平凡なモノで埋められる訳が無いだろ!」
古谷にぴしゃりと言われ、狼狽する山下の姿があった。どうやら古谷の言った事は図星であったらしい。
そして、そんな山下の様子を一瞥して、バラエティーの田中が呆れたように言う。
「そんな事だから、ウチのドラマはいまいち数字が獲れないんだよな。
他所じゃ《半沢》とかデカイ数字獲っているってのに、ウチのドラマが弱いのは、プロデューサーのそのセンスが原因なんじゃないですかね」
番組を作っている者に対し、そのセンスを否定される事ほどの侮辱は無い。山下はテーブルに掌を叩きつけて怒鳴った。
「何だと!田中、それは俺に向かって言ってるのかっ!」
「あ、そういう風に聞こえました?」
にやけた顔で答える田中。普段、芸人達と絡む事が多いせいか、その口調はどうにも軽い。
しかも、この局のドラマの視聴率が他局に比べて低いのは本当の事である。
「お前、俺にケンカ売ってんのかっ!」
今にも田中に向かって掴みかかっていきそうな勢いの山下を、スポーツの松本、そして古谷がすぐさま牽制する。
「まあ、まあ、今は会議の場なんですから反論があれば議論を闘わせましょうよ、山下さん」
「そうだ山下、お前がセンスに自信があるというなら、例えば特番のドラマ、お前ならどんなものを作る?」
思いがけない古谷からの問い掛けに、山下は言葉を詰まらせた。
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