ホルケウ~暗く甘い秘密~
数ページ飛ばし読みし、りこは一番最後の項目を読み直した。
「最終章、伝承について。人狼はいつから存在しているのか、どこで誕生したのかなどの根本的な疑問はいまだに解決されていない。だが、ある1つの伝説が、謎を解くヒントになるかもしれない。黄金の心臓を持つ乙女の血は、ヒトの血の力を強め、浄化する」
つまり、人間に戻れるということ。
口の中で言葉を転がし、りこは寝返りをうった。
(伝説か…………。前例があったら、伝説なんて抽象的な言い方しないわよね…………)
果たして玲は本当に人間に戻れるのか。
黄金の心臓を持つ乙女という存在に対して、りこはいささか懐疑的な見方をした。
存在しないという証拠はあがっていないが、存在するとの確証があるわけでもない。
そして、圧倒的に情報が足りない。
(せめてどこから探すかヒントさえあれば……人狼、人狼……フランス語でルー=ガルーだったっけ?北欧神話にもそれっぽいキャラクターがいたような……)
思いつく単語、キーワードを片っ端からスマホに打ち込み、インターネットで検索するが、そもそも人狼というものはあまり人気が無いらしく、りこが知っている以上の情報は見つからなかった。
「これがヴァンパイアだったら、もっと情報や伝説があるのかもなー」
ため息をつきながら、ほとんど充電がないスマホを片手に、部屋の隅のコンセントを手繰り寄せる。
スマホをつなぐと同時に、インターホンが鳴った。
部屋の鍵を開け、りこは小走りで玄関へ向かった。
「最終章、伝承について。人狼はいつから存在しているのか、どこで誕生したのかなどの根本的な疑問はいまだに解決されていない。だが、ある1つの伝説が、謎を解くヒントになるかもしれない。黄金の心臓を持つ乙女の血は、ヒトの血の力を強め、浄化する」
つまり、人間に戻れるということ。
口の中で言葉を転がし、りこは寝返りをうった。
(伝説か…………。前例があったら、伝説なんて抽象的な言い方しないわよね…………)
果たして玲は本当に人間に戻れるのか。
黄金の心臓を持つ乙女という存在に対して、りこはいささか懐疑的な見方をした。
存在しないという証拠はあがっていないが、存在するとの確証があるわけでもない。
そして、圧倒的に情報が足りない。
(せめてどこから探すかヒントさえあれば……人狼、人狼……フランス語でルー=ガルーだったっけ?北欧神話にもそれっぽいキャラクターがいたような……)
思いつく単語、キーワードを片っ端からスマホに打ち込み、インターネットで検索するが、そもそも人狼というものはあまり人気が無いらしく、りこが知っている以上の情報は見つからなかった。
「これがヴァンパイアだったら、もっと情報や伝説があるのかもなー」
ため息をつきながら、ほとんど充電がないスマホを片手に、部屋の隅のコンセントを手繰り寄せる。
スマホをつなぐと同時に、インターホンが鳴った。
部屋の鍵を開け、りこは小走りで玄関へ向かった。