戦乙女と紅(ヴァルキリーとくれない)
第一章 邂逅
紅
もう、いつの頃から始まった事なのかは誰も知らない。
気がつくと、この地は戦乱と混沌が渦巻いていた。
国は同盟を結ぶものと、隣国を支配の対象とするものの二つに分かれ、何十年も何百年も戦を続ける。
人は、より強い国の庇護を受けようとする民衆と、自ら剣を手に取り戦う騎士とに分かれた。
…その騎士にも、幾つかの種類があった。
自らが忠誠を誓うに足る国に集った『軍』、国ではなく強い力を持った騎士長に忠誠を誓った『騎士団』。
そして、俺のようにどこにも属さず、戦場から戦場へと渡り歩く『自由騎士』。
元々は俺も、騎士団に属する人間だった。
だが、運がなかったのか人を見る目が無かったのか。
所属する騎士団は、ことごとく戦に敗れ、次々と壊滅していった。
負け戦に慣れ始めた頃、俺は考える。
戦に勝つには、人望とか、信念とか、お題目ではない。
強いかどうかなのだと。
ならば、強い者につけばいい。
戦に勝てる者につけばいいのだ。
そうするには、軍だの騎士団だのに所属していては身動きが取れない。
だから俺は自由騎士になった。
何よりも自由を重んじる騎士になったのだ。
気がつくと、この地は戦乱と混沌が渦巻いていた。
国は同盟を結ぶものと、隣国を支配の対象とするものの二つに分かれ、何十年も何百年も戦を続ける。
人は、より強い国の庇護を受けようとする民衆と、自ら剣を手に取り戦う騎士とに分かれた。
…その騎士にも、幾つかの種類があった。
自らが忠誠を誓うに足る国に集った『軍』、国ではなく強い力を持った騎士長に忠誠を誓った『騎士団』。
そして、俺のようにどこにも属さず、戦場から戦場へと渡り歩く『自由騎士』。
元々は俺も、騎士団に属する人間だった。
だが、運がなかったのか人を見る目が無かったのか。
所属する騎士団は、ことごとく戦に敗れ、次々と壊滅していった。
負け戦に慣れ始めた頃、俺は考える。
戦に勝つには、人望とか、信念とか、お題目ではない。
強いかどうかなのだと。
ならば、強い者につけばいい。
戦に勝てる者につけばいいのだ。
そうするには、軍だの騎士団だのに所属していては身動きが取れない。
だから俺は自由騎士になった。
何よりも自由を重んじる騎士になったのだ。
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