戦乙女と紅(ヴァルキリーとくれない)
いかに強い男とて、その攻めに隙がなかった訳ではない。

私が戦う気がなかった分、その隙を見逃していただけだ。

そして、私の怒りを買った分、その隙を見逃してやる理由は最早ない。

男の右の斬撃を、私は下段からの一撃で弾き飛ばした。

「くっ!」

八割の力で打った一撃。

その一撃に、男は右手を痺れさせる。

しかし、彼とて並みの騎士ではなかったようだ。

すぐさま左の斬撃を放とうとするが。

「けぇえぇえいっ!!」

それよりも速く。

私は振り下ろしの斬撃を、男に対して見舞っていた。












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