戦乙女と紅(ヴァルキリーとくれない)
ともあれ、ある程度の勝算は見込める。
あとは、その精鋭部隊とやらが出てくる前に、どれだけ大国の兵を削る事ができるかだ。
大国はまだ、俺という存在が小国についた事を知らない。
この国を舐めてかかっている筈だ。
数に物を言わせ、大軍を率いてこの国を押し潰す気でいるに違いない。
しかし、それこそが勝機だ。
兵の数が多ければ多いほど、逆に言えば大国の兵力を削る機会が増えるという事だ。
「簡単に言うが、紅」
乙女は俺の顔を見る。
「相手は二十五万の軍勢だぞ?如何に貴方が強いとはいえ、たった一人でそれだけの大軍を倒せるとは思えない」
「無論俺一人ではないさ。お前にも手を貸してもらう。それに」
俺は不敵な笑みを浮かべる。
「俺とお前が超人的な働きをすればするほど、追従する兵達の士気もあがるというものだ。この戦は、俺とお前がどれだけ強さを見せ付け、自軍の兵を魅了するかによって勝敗が決まる」
…そう。
神がかった強さを持つ主君を持つと、兵は暗示にかかる。
自らにはこれほど強い主君がついている。
我々は神に守られているのだと。
神という大義名分を得た兵達は、実力以上の力を発揮するのだ。
「…成程」
感服したように、乙女は溜息をついた。
「大した戦略家だ、貴方は」
「口八丁手八丁と言ってくれ」
俺は笑った。
あとは、その精鋭部隊とやらが出てくる前に、どれだけ大国の兵を削る事ができるかだ。
大国はまだ、俺という存在が小国についた事を知らない。
この国を舐めてかかっている筈だ。
数に物を言わせ、大軍を率いてこの国を押し潰す気でいるに違いない。
しかし、それこそが勝機だ。
兵の数が多ければ多いほど、逆に言えば大国の兵力を削る機会が増えるという事だ。
「簡単に言うが、紅」
乙女は俺の顔を見る。
「相手は二十五万の軍勢だぞ?如何に貴方が強いとはいえ、たった一人でそれだけの大軍を倒せるとは思えない」
「無論俺一人ではないさ。お前にも手を貸してもらう。それに」
俺は不敵な笑みを浮かべる。
「俺とお前が超人的な働きをすればするほど、追従する兵達の士気もあがるというものだ。この戦は、俺とお前がどれだけ強さを見せ付け、自軍の兵を魅了するかによって勝敗が決まる」
…そう。
神がかった強さを持つ主君を持つと、兵は暗示にかかる。
自らにはこれほど強い主君がついている。
我々は神に守られているのだと。
神という大義名分を得た兵達は、実力以上の力を発揮するのだ。
「…成程」
感服したように、乙女は溜息をついた。
「大した戦略家だ、貴方は」
「口八丁手八丁と言ってくれ」
俺は笑った。