戦乙女と紅(ヴァルキリーとくれない)
俺の言葉に、大国の騎士達は激しく自尊心を傷つけられたらしい。

「ふ、ふざけおって!!」

先程の巨漢の男が馬を下り、槍を構える。

「このような男、我が槍の一撃で貫いてくれる!!」

俺の目の前に立ち、男は槍を突き出す!!

…速い。

だが、一直線に突きかかって来るなど、正直すぎる攻めだった。

次の瞬間…「!?」

俺に向かってきた筈の槍の穂先は、大きく弾かれて軌道を変えていた。

弾いたのは無論俺。

素早く抜いた左の剣で、迫ってくる突きを上方へと弾いたのだ。

「え…な…弾き…!?」

動揺する男。

その隙に俺は既に踏み込み、男の懐へと入り込んでいた。

「ぬるいな」

同時に左右の剣で、男の胴を十文字に斬る!!

「………っっ……!!」

男は断末魔の悲鳴すら上げる事無く、その場に倒れた。

「この程度か?大国の騎士諸君」

俺は構えもせず、軍勢に向き直った。


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