戦乙女と紅(ヴァルキリーとくれない)
国に戻り、騎士達は控えの間で思い思い談笑している。
今日の戦の事、勝利した喜び、新調した甲冑の使い心地など。
勝ち戦だった事で緊張から解放され、騎士達の表情は和らいでいる。
そんな中、私だけが緊張した面持ちで紅の側に歩み寄った。
「紅、ちょっといいか」
私は紅を呼び寄せる。
「少し話がある。外に付き合ってくれ」
「…いいだろう」
紅は別段驚いた風でもなく、いつもの表情で私についてきた。
王宮の廊下。
他の者のいない静かな場所で、私はドレスにも着替えずに紅と向き合う。
「何だ、この間の体術の話か?教えてやらんでもないが、少し休ませてくれると助かる」
「いや、そうではない」
一言、一言確認すればいいだけというのに…何故か今になって、酷く緊張した。
まるで、この先は言わぬ方がいい、聞かぬ方がいいと念押しされているような。
聞けばこの男を疑わずにはいられなくなると、耳元で誰かが囁いているような気がした。
…そんな事はあるものか。
紅は私やこの国の為に戦ってくれると言ってくれた。
あの宴の夜、私と口づけを交わした後にそう宣言してくれた。
そう、これはただの確認。
その為の問いかけだ。
今日の戦の事、勝利した喜び、新調した甲冑の使い心地など。
勝ち戦だった事で緊張から解放され、騎士達の表情は和らいでいる。
そんな中、私だけが緊張した面持ちで紅の側に歩み寄った。
「紅、ちょっといいか」
私は紅を呼び寄せる。
「少し話がある。外に付き合ってくれ」
「…いいだろう」
紅は別段驚いた風でもなく、いつもの表情で私についてきた。
王宮の廊下。
他の者のいない静かな場所で、私はドレスにも着替えずに紅と向き合う。
「何だ、この間の体術の話か?教えてやらんでもないが、少し休ませてくれると助かる」
「いや、そうではない」
一言、一言確認すればいいだけというのに…何故か今になって、酷く緊張した。
まるで、この先は言わぬ方がいい、聞かぬ方がいいと念押しされているような。
聞けばこの男を疑わずにはいられなくなると、耳元で誰かが囁いているような気がした。
…そんな事はあるものか。
紅は私やこの国の為に戦ってくれると言ってくれた。
あの宴の夜、私と口づけを交わした後にそう宣言してくれた。
そう、これはただの確認。
その為の問いかけだ。