戦乙女と紅(ヴァルキリーとくれない)
そうしているうちに…本当に疲れていたのだろう。

私はいつの間にか深い眠りに落ち。







「…とめ…おとめ…乙女!!」

激しく叩くノックの音で、目を覚ました。

ただならぬ事態だと気づき、すぐにベッドから起き上がる。

扉を開けると、そこには兵が立っていた。

「早朝より失礼致します!大国軍が我が領土に侵攻してまいりました!!」

おのれ…夜明けを狙われたか。

「すぐに行く」

甲冑に着替える為、私は部屋を出て廊下を早足で歩く。

こんな時、裾の長いドレスは苛立ちを覚える。

「して、敵の兵数は」

「およそ、十二万かと」

「十二万!?」

思わず足を止めてしまった。

十二万とは、大国が残している兵数のほぼ全てではないか。

「総力を挙げて、攻め落としにかかってきたという事か…!!」

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