戦乙女と紅(ヴァルキリーとくれない)
「突撃!!」

私の指揮で、小国軍五万は大国軍十二万へと突っ込んでいく。

無論、正面からぶつかれば不利だ。

「弓隊、射て!!」

後方に陣を構えていた弓兵が、大国軍目掛けて矢を放つ。

まずはこれで出鼻をくじく。

そこへ我が軍の騎士、槍兵が攻撃を仕掛けた。

矢を受けて怯んだ敵に、中距離からの槍兵の攻撃。

更に生き残った敵に騎士の剣が襲い掛かる。

前衛の敵兵はこれで何とかなる。

だが、相手は十二万の兵だ。

一回の攻撃で全て排除できるほど、たやすくはない。

そしてこちらの攻撃は、相手の攻撃でもある。

「ぐあっ!!」

「ぎゃあ!!」

大国軍の弓兵の放った矢が、我が軍の兵士達を射抜く。

そこへ斬りかかる大国軍の騎士達。

数が多い分、同じ戦術でも大国の方が効果的に思えた。

ならば、こちらにあって敵にはないもの…。

「戦乙女、押し通る!!」

私は剣を構え、壁のような大国軍の兵達に突撃した!!


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