戦乙女と紅(ヴァルキリーとくれない)
まどろみにも似た精神状態のまま、自問自答していたその時だった。

「敵襲っっ!!!!!」

朝の静寂を引き裂くような兵士の声が王宮に響く。

「!!!」

私はベッドから飛び起き、外の兵士に声をかけた。

「敵襲だと!?」

「はい、乙女!大国軍の総攻撃です!恐らくは十一万…残る兵力全てを投入した攻撃かと」

「くっ…!!」

私は歯噛みした。

今度こそ…今度こそ私達を皆殺しにするつもりか。

その軍勢の中に、紅…貴方もいるのか…!!

「乙女…」

兵士が、すがるような目で私を見る。

…迷った。

戦ったところで、また多くの犠牲が出るだろう。

勝ち目のない戦なのかもしれない。

白旗を振り、大国の軍門に下れば、被害は最小限に抑えられるかもしれない。

だが…だが…!

ギュッと目を閉じ、苦渋の選択を迫られる。

その時。

「乙女」

兵士が私に声をかけた。

「戦いましょう、乙女」


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