ちょっと、離れてくれませんか!?


「ゆいちゃん、俺、ちょっとトイレ行ってくるね。ここで待っててね。」

「あ、うん。」

「あ、寒いよね?これ羽織っててね」

と言って、私に着てたライダースを手渡して、矢崎くんは席を立った。


…あったかい。矢崎くんのにおい。
いつも抱きつかれてるから慣れてるハズなのに、なんか、今日はいつもの彼と違くて緊張しちゃう。


ざわざわと人が増えていく。
こうゆうときに1人なのって、ちょっと苦手、、、。

はやく帰ってきて〜!



「お待たせ、ゆいちゃん。
あと、これどーぞ。寒いよね?」

そう言って手渡されたのはペットボトルのホットミルクティー。
わたしがいつも学校で買って飲んでるやつ。

「あっ、ありがとう…!」

「いえいえ、どーいたしまして。」



こ、これは、、、、
気が利くっていうより、、、

慣れてる!?!?


やっぱりかっこいいと、女の子の扱いも慣れちゃうくらいなのかな。
あー、でも確かに経験豊富そう。


ちょっとだけ、矢崎くんが、遠くに感じた。



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