十五晩瞳の奇跡
「俺は刹(セツ)。君が千華ちゃんだね?」


「―――――?!」

どうして私の名前を…?


刹さんの灰色の瞳は少し怖ささえ感じられた。


店には誰一人私以外の客が居ない。


白と黒の二色をベースとした室内、剣が十字に交じり合ったお店のロゴ。


「きっと山ほど聞きたいことはあるんだろうけど、一つだけいいこと教えてあげる。」


「いい…こと…?」

彼の口角が僅かに緩んだ。


「ゲームに勝てば服従権が与えられる。」


服従権…?


「この世界から離脱して俺達を服従させる権利だよ。」


お店の音楽が突然病んだ。

< 11 / 13 >

この作品をシェア

pagetop