十五晩瞳の奇跡
「ゲーム…?」


私は首を傾げた。


「君が兎で俺が月に。」


彼の翳した人差し指からまばゆい光が散り、私の身体を包み込んだ。


「何これ!?」


少しだけ身体が軽くなったような気がした。


「君に自由に飛べる魔法をかけた。今から5分の間に俺を掴まえたら君の勝ち。」


ちょっと…!未だそのゲームとやらに参加するとも言ってないのに!


「待って下さい…私未だ返事もしてないし…」


「んー…。俺スタートボタン押しちゃったんだよなぁ…。そんな訳で決行!」


そんな強引な!


彼が「始め!」と叫んだ途端、景色が一辺し辺りは蔦に覆われた屋敷が並んでいた。
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