紫陽花と君の笑顔
永遠の愛とは
舞桜の遺体は、入院していた病院から程近い霊園に運ばれた。
ここには、暇があるときや、報告したいことがあるときなど、俺は頻繁に訪れていた。
今日は、そんな舞桜の誕生日だった日。
夏を目前に控えた、汗がにじむ日中。
学校は午前中で解散になり、自宅までの道のりを、途中で脇に逸れて慣れた道を歩く。
程なくして見えてきた霊園を前に、新しく買い換えたスマートフォンを取り出す。
舞桜が死んでから、俺はその死を吹っ切る為に彼女とお揃いにしていた持ち物を一新した。
ただひとつ、彼女からの最初で最後のプレゼントであり形見である指輪を除いては。
携帯も買い替え、彼女の情報は、連絡先から削除。
非情だと友人には言われたが、こうでもしないと、俺は立ち直れなかった。
新着情報には、3件の不在着信。