紫陽花と君の笑顔
君の笑顔
また会おう
「ありがとな、皆」
「おう。玲太も、しっかりやれよ」
そして歌の録音が終わった後、集まった俺と舞桜の友人はひとしきり会話に花を咲かせ、録音機を俺に託して解散。
録音機の管理は、俺に任せると言ってくれた。
霊園の表に向かいながら、俺はスクールバッグの中から彼女の大好きだった紫陽花の押し花を模した栞を取り出す。
手先の不器用な俺が、一夜かけて仕上げたそれは、形もよれてしまい、栞として使えるかも定かではない。
それを録音機と一緒に彼女の墓石の前に供える。
昨日持ち寄った紫陽花の花束の水をやりかえ、線香をたいて、両手を合わせた。