君とさよならの時間 ~大好きの涙~
声が震えてた。
入院してる、なんて言うつもりなかったのに。
バラすつもりなかったのに。
あんたがココに来るから。
だから、いけないんだ。
「入院?お前が?」
「驚く…よね。
そう。入院してるの。私……もうすぐ死ぬのよ」
他人に初めて言った「死ぬ」という言葉。
その言葉を口に出した瞬間、私の頬にまた涙が伝った。
その涙はまるで、「死にたくない」と言ってるかのような、そんな涙だった。