君とさよならの時間 ~大好きの涙~
弱くて脆い私を、葉上は優しく包むように抱きしめた。
「後悔なんてしねぇよ。お前を選ばない方が、よっぽど後悔する。
俺はお前のことを好きになったんだ。
他の誰でもない、愛美自身を。
――死ぬ、なんて二度と言うな。
俺が死なせねぇ。
俺は愛美と一緒に生きたいんだ」
運命を変えることはできないってわかってる。
私が生きていられるのも、あとわずかだってわかってる。
けど、そんなこと言われたら…、
運命を変えてほしい、って本気で祈ってしまう。