君とさよならの時間 ~大好きの涙~



「その言葉にちゃんと責任持ってよ?

 絶対、私を死なせないで。生きさせて」




「あぁ。わかってる」





 わかってる。私は近いうちに死ぬってことくらい。


 でも、お願い。少しだけ期待させて。


 葉上が私を死なせないでくれるかもって。

 葉上が私を生きさせてくれるかもって。





 奇跡よりはるかに大きい、そんな期待をさせてください。










 私たちは、静かにキスをした。





 そのキスは、偽りから本物へと変わるキス。



 涙味のしょっぱいキスで、私は葉上の本物の彼女になった。





 幸せを感じた今日。



 私はぎこちなく、笑ってみせた。



 忘れてしまったその笑顔。でも、今は、絶対作り笑いじゃない。本物の笑顔だよ。


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