君とさよならの時間 ~大好きの涙~
私の帰るところ。
―――放課後。
私はずっと、体育館裏にいた。
よく漫画とか小説とかだと、ここは告白スポットなんだろうけど。この学校は、中庭のほうが人気が高い。
「ふはぁ…。
帰るか」
欠伸を一つしてから、私は教室にカバンを取りに行く。
教室に行くと、もう誰もいなかった。
机のわきにかけてあるカバンをとり、私は帰るべき場所へと帰る。
家に帰っても追い返されるだけ。「なんでここにいるの!」と怒られるだけ。
私が帰るべき場所は、生まれてきてから一度も変わらない。