君とさよならの時間 ~大好きの涙~
頑張って、全てを受け入れてくるよ。
―――次の日の放課後。
「じゃあ、行ってくるね」
「おう。頑張れよ」
「うん」
葉上と学校で別れ、私は自分の家へと向かった。
一度も行ったことがない、自分の家。
6年前、メモ用紙をお母さんに手渡された。そこには、住所が書いてあった。
きっとここが、私の家。
色あせたその紙方手に、私は歩いた。
バスとか電車とか乗ったことないから、よくわかんなくて。
タクシーに乗ろうにも、お金がない。
歩くしかないんだ。