君とさよならの時間 ~大好きの涙~
「愛美ちゃん、入るわよ」
ガラッと開く扉から入って来た、看護師さん。
「愛美ちゃん、ご飯よ―――――…愛美ちゃん!?愛美ちゃん、大丈夫!?先生、藤井先生!!」
しばらくして、藤井先生とさっきの看護師さんが来た。
「愛美ちゃん?声聞こえてる?」
私は「うん」と言う代わりに、必死に頷いた。
「学校……行けそうにないな」
え…?
学校、いけないの?病院に、ずっといるの?
せっかく外の世界に足を踏み入れたのに、また白い箱の中に閉じこもるの?
そんなのやだ。
…なのに、声が出ない。