君とさよならの時間 ~大好きの涙~







 不器用で淡いこの恋心に、私は嘘をつけないから。







「そろそろ帰るか」


「そうね」





 空がオレンジ色に変わり、海も空と同じ色になった。


 もう夕方か。時間が経つのは早いな。







 バスや電車に乗り、私たちは帰ってきた。




「病院まで送ってくれてありがと」


「別に。家までの道に、病院があるだけだから」




 可愛くないんだから。もっと素直になればいいのに。







「―――もう、さよならの時間よ」








< 187 / 253 >

この作品をシェア

pagetop