君とさよならの時間 ~大好きの涙~
第一章 私とあいつ
独りぼっちの高校生
高校一年生の春。
なにかを祝福するかのように咲いている桜。
入学してからもう、二週間。
最近早めの席替えをして、窓際の一番後ろというすごくいい席を手に入れた私は、窓の外の景色を頬杖をつきながらただ眺めていた。
一切、誰も話しかけてこない。
それは、私が遮断しているから。話さないで。近づかないで。そんなオーラを出しているから。
だって、私と関わったところで
待っているのは涙だけだから。
そんな私に、誰も話しかけてこないのは普通。