君とさよならの時間 ~大好きの涙~





 ――そんな色鮮やかな外の世界で、私は大切な人と出会ったんだ。





 運命という素敵な言葉が私たちを出会わせてくれた。


 そんな乙女チックな考えは、その時は浮かばなかった。








 葉上 尋。私の初めて好きになった人。かけがえのない私の彼氏だった人。







 今思えば、一度も「尋」って呼んであげれなかったな。


 それが、少し後悔。






 始まりは唐突で「俺の女になれ」なんて言われて。


 でも、それは“偽りの彼女になれ”って意味だったんだね。







 偽りでも、なんでも嬉しかった。


 君と関係ができて。


 初めて頼られて。









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