君とさよならの時間 ~大好きの涙~




 葉上に言われて、私は家族に会いに行った。




 私を捨てたと思ってた、家族に。





 久し振りに見た、お母さんと弟の恋次の顔。




 そして、話してくれた。




 私のことが大切だからこそ、悩んでくれてたこと。


 捨てたんじゃないってこと。


 会いに行けなかったけど、愛していたということ。







 それを聞いて、初めて“家族”になれた気がしたんだ。






 愛が足りなかったとか、独りだったとか。



 そんなことなかった。全部、私の勘違いだった。





 家族はいつも、私のことを考えてくれていた。


 忘れられてなかった。捨てられてなかった。



 それどころか、こんなにも愛されていたんだ。







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