君とさよならの時間 ~大好きの涙~
タイムリミットが着々と近づいている時。
私は葉上をデートに誘った。
初めて着た、可愛らしい服。
葉上に似た、ツンとした顔の猫のぬいぐるみ。
葉上と撮った、思い出のプリクラ。
初めてのことが多くて、実は緊張してた。
でも、葉上の隣だったから不思議とその緊張がいつの間にか吹っ飛んでたんだ。
最後に、海へ行った。
空に似た果てしなく、ひと粒ひと粒が輝いているそんな“青”を。
涼しい風、なびく髪、葉上の温もり。
海は、私を素直にさせてくれた。
好き、ってもう一度言うことができた。
―――あの日、海に行ってよかった。