君とさよならの時間 ~大好きの涙~
“今”を生きてる
<葉上 尋 side>
―――数年後……
「葉上先生!!」
「ん?」
「最近、幸ね元気になったの!」
「そうか。よかったな」
シンプルなピンクのパジャマを着た幸【サヤ】ちゃんの頭をポンと優しく撫でる。
「じゃあね、先生!」
「走るなよ?」
「わかってるよ~」
俺は今、愛美がいた病院で医者をやっている。
医者になるまで勉強、勉強、勉強…で忙しかったけど、自分のやりたいことのためだったから不思議と嫌にならなかった。