君とさよならの時間 ~大好きの涙~
――愛美、見てるか?
俺は今、幸せだ……。
「人気だね、葉上先生は」
「あ、藤井先生」
休憩スペースでお茶を飲んでいると、藤井先生が声をかけてきた。
「まさか君が医者になって戻ってくるとは思わなかったよ」
「愛美のこと考えてたら、医者になりたいって思うようになってたんすよ」
俺は、金髪から黒に染め、ピアスもしなくなり今は耳に空いていた穴はふさがっている。
「――まだ、愛美ちゃんのことを?」
「はい。やっぱりいないんすよね。愛美以上の女」
「ハハッ、ベタ惚れだね」
「そうですね。否定はしません」
愛美。俺はやっぱり、お前しか好きになれそうにない。