君とさよならの時間 ~大好きの涙~
無意識に向かっていった先は、屋上。
「はぁ、はぁ……」
やばい。走りすぎた。クラクラする。
こめかみをおさえ、私は足でふんばりながら、なんとか立っていた。
――葉上のやつ、いきなりなに言い出すのよ…。
屋上の扉から数歩歩いたところで、私は力が抜けるように座った。
だめだ…。もう動けない。
やっと自覚した。生きられる時間はあとわずか、ってことを。やっと、わかった。
こんなにも体力が落ちていたなんて。弱くなっていたなんて。信じられない…。もしかしたら学校に来れるのだって、あと数回なんじゃないのかな…。