君とさよならの時間 ~大好きの涙~





 同情したあとは、過保護になるか離れていくかのどちらかだ。



 そうなるんだったら、言わない。




 それに、どうせ私はすぐ空へと行くんだ。言っても無意味になるだけ。



 …なら、言わない方がずっといい。






「だって?」




 黙り込んでしまった私を心配するように、葉上は言った。




「だ、だって………せ、世間知らずなんだもん」



「ふぅん。世間知らずねぇ」




 「それにしては、度が過ぎてねぇか」と付け足して含み笑いをしながら言った。




「妄想ってのはな、あれこれ想像することだよ。

 さっき、恋人がすること、想像してなかったか?」





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