君とさよならの時間 ~大好きの涙~
「ジュースもらってもいぃ?」
「んー」
数分経って、私は葉上にそう聞くと、葉上は漫画を見ながら曖昧に返事をした。
リビングにある冷蔵庫から、オレンジジュースを取り出しシンプルなコップに注ぐ。
そして私は、そのコップを持って葉上の部屋に戻ろうとしたが。
「……あれ?」
リビングにある、テレビの前のテーブルに写真立てがあるのに気づいた。近寄ってみると、その写真立てには、幼くて可愛らしい男の子と優しげな女の人が写っていた。この男の子、もしかして……。
急いで葉上の部屋に戻り、コップをドンッとローテーブルに置く。
「びっくりしたー。んだよ、いきなり」
その音に驚きながら、漫画を見ていた目をこちらに向けた彼。
「ねぇ、リビングにある写真に写ってる男の子と女の人って………」