君とさよならの時間 ~大好きの涙~
でも、愛美を初めて見て……なんか感じたことのない感覚に落ちたんだよな。
きっとこれを、「一目惚れ」って言うんだろうな…。
「キモイ、尋」
「は!?なんでだよ」
「顔、ニヤけてるんだよ」
「っ!?」
ニヤけてた?俺が!?
ペタペタと手で自分の顔を触ってみるが、にやけてるかどうかなんてわかんねぇ。
「ベタ惚れだね~」
「ぅ、うっせ!!」
「照れちゃって~。可愛いな、尋は~♪」
絶対、峻司面白がってやがる!顔笑ってるし!!
――俺は、あいつに惚れてるけど、あいつ…愛美はどうなんだろうか。
やっぱり、俺のこと“偽の彼氏”としか見てないんだろうか。
あぁー、くそっ!あいつを“本物の彼女”にしてぇのに。
なんで言えねぇかな、俺…。ヘタレすぎだろ。