君とさよならの時間 ~大好きの涙~
<静野 愛美 side>
「愛美……」
確かに私の目の前に立っている、制服姿の彼。
どうして、葉上がここにいるの…?
「なんで愛美が病院に…?」
「え、わ、私は……」
入院してるの、なんて言えない。
「お見舞い…そう、お見舞いなの。お母さんが、昨日倒れちゃって」
我ながら、うまい嘘だと思った。これなら騙せる。
――というか、信じてほしかった。
「そ、なんだ…。病院にいるから、驚いた」
「そっちは?なんでいるの?」