あくまで小悪魔【BL】
しかし、目の前の一条は、まったく、一ミクロンもアラサーの定義には当て嵌まらなかった。


どっからどう見てもティーンエイジャーである。


下手すりゃ中学生である。


身長はそんなに低い訳では無いんだけど…。


俺の目の高さにおでこがあるから、170手前くらいか?


でも、俺が言うのもなんだけど、今時のガキは発育が良いからもっと大きい中学生なんてザラにいるし、その輪の中に入ってもまったく違和感はないだろう。


なにしろ、顔が超絶に童顔だった。


ちょっとタレ気味の黒目がちの瞳、高すぎず低すぎず、上品な形の鼻、チョコンとついた唇。


そして髪も教師らしく真っ黒で、流行りのヘアアレンジとかもしてなくて、ただのストンとした短髪なんだけど、そのナチュラルさがかえって幼さを際立たせているというか。


「流行に乗り遅れてしまったおじさん」ではなく、あくまでも「まだオシャレに目覚めてない少年」チックなのだ。


今は野暮ったいけど磨けば光る、将来有望の美少年、みたいな。


性格も、大人特有の図々しさとか押しの強さとかが皆無で、とにかくあらゆる角度から検証しても彼が実年齢に見える要素は皆無だった。
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