あくまで小悪魔【BL】
入学式の日、初めて一条を見た時は、正直ビビったもんな。


何で教師の列の中に生徒が混ざってんだ?って。


新入生代表挨拶で、前もってスタンバってるとか?


でも、あれってどっからどう見てもここの制服じゃねーよな。


うちの親父が良く着てるような地味なスーツだし。


新入生への余興のドッキリか?


校長も教頭も他の先生達も、皆すこぶる真面目に厳かに、最大級のボケをかましてんのか?


こっちがツッコミを入れるのを待ってんのか?


そんなしょーもない事を考えているうちに式は進み、先生方の挨拶となったんだけども、その時に俺達は本人の口から衝撃の事実を告げられる事となる。


「1年C組副担任の一条はじめです。担当教科は歴史です。これからよろしくお願いいたします」


その瞬間、体育館全体がどよめいた。


俺達新入生とその保護者が、一斉に言葉を発したからだ。


「えーやっぱ先生だったの!?」

「教育実習生とかじゃなくて?」


そんな声があちこちから聞こえて来た。


やはり一条の存在を意識していたのは俺だけではなかったらしい。
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