2番目のわたし。【完結】


「‥‥大谷‥‥‥」



「何やってるんすか先輩!
あいつの事振ったんじゃないんですか?!」


あぁ、朝香のやつちゃんと守ってるんだ

こいつにも言ってないんだこの関係のこと


それなら俺も言わないよ


「何が?振ったよ?それが?」


「じゃあ、なんで抱きしめたりしてるんですか!あいつが苦しんでるのわからないんですか?!」


こいつに負けそうだ。
でも、譲れない


「ただの俺の気まぐれだよ。
ただそれだけだ。あいつのことなんて知ったこっちゃねぇよ」

気まぐれなんかじゃない、
知ったこっちゃねぇなんかじゃない、

あいつのことばっかり考えてるよ

お前とおんなじくらいな。

「先輩!2度とあんなことしないでください!」

「‥‥‥さぁな、ちゃんと見張ってれば?ははっ。」

そして俺は逃げるように体育館に戻って行った。

あんなこと言えるあいつに負けるのが悔しくて、羨ましくて。

泣きそうになったんだ。



< 66 / 109 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop