【完】人形達の宴~通りゃんせ~
「りょ、諒ちゃん…」
窓の外で心配そうにこちらを覗き込む諒ちゃんに、今度は安心感から涙がドッと流れ出す。
あぁ…、
こんな真夜中に起こしてしまったにも関わらず、来てくれるなんて…嬉しいよぉ---
恐怖でいっぱいだった感情が、一瞬で拡散されてしまった。
ホッと息をつき、窓の鍵を開ける。
「結衣…、って何なんだよこれ?」
部屋の惨状を見た諒ちゃんが、絶句しながら辺りを見回した。
倒れた本棚に、床に散らばっている本。
そしてベットには私のこびり付いた、血---
そんな状況を見たら誰もが皆、驚くのは当たり前だよね。