【完】人形達の宴~通りゃんせ~
「煙の匂いが凄いね」
「そうだな。それよりまだ終わってないみたいで良かった」
「うん」
そうこうしている内にいつの間にか、本同院の敷地内へと足を踏み入れていた。
辺りには白い煙がモクモクと立ち込めていて少々、目が痛い。
「もう、お焚き上げも残り少なそうだね」
「…だな。朝からやってるみたいだから昼過ぎだし、もう終わってもおかしくないしな」
私の視線の先は人形を燃やしている僧侶さんの横にある、最後であろう箱の中に入っている人形達だった。
あの箱の中にいる人形達をお焚き上げすればもう、終わりみたい---