【完】人形達の宴~通りゃんせ~
「りょ、諒ちゃん?」
「結衣」
瑞希の家の前でずっと待っていてくれていたのか、目の前に諒ちゃんがいて驚いた。
諒ちゃんは、玄関から出てきた私を見ると優しく笑いかける。
そして口を開いたその瞬間…、
ジッと食い入るように、何かを見た。
視線の先、それは…、
私の押さえている腕だった---
「どうした?それ…」
「あッ…」
私の傍までやって来た諒ちゃんが、傷口を押さえていたタオルをそっと取る。