【完】人形達の宴~通りゃんせ~
「結衣、何があった?」
諒ちゃんの視線の先には先程、ハサミで傷つけられた腕だった。
そっと上を見上げると、真剣な諒ちゃんの視線とぶつかる。
「あの…」
「また、人形が出たのか?」
「…うん」
「やっぱり俺も行くべきだったな」
手当てするからとりあえず家に来いと促され、それに従うように諒ちゃんの後をついて行く。
諒ちゃんの家には、まだ明かりは灯っていなかった。
おじさんもおばさんも、家にはいないようだ。