【完】人形達の宴~通りゃんせ~
「ちょっと待ってよ、諒ちゃんッ!」
私より先を歩いている諒ちゃんはもう、私の視界にはいない。
今、階段を下りている私の階下から聞えてくる足音はきっと諒ちゃんの足音。
三階から二階向かって階段を降りている私より、一つ下の階段を下りているのだと分かった。
一緒に歩けばいいのに、何で一人でさっさと行ってしまうの?
そんな諒ちゃんにムスッと頬を膨らませた。
「遅い結衣が悪い…ッ、…ウワッ!」
ドー-ーーンッ!!!
「りょ、諒ちゃん大丈夫ッ?」
大きな音に驚き急いで階段を下りていくと、諒ちゃんが階段下で蹲っていた。