【完】人形達の宴~通りゃんせ~
木崎というこの男はどうして、私が来る事を知っていたのだろう?
と思ったが、それはすぐに分かった。
きっと瑞希が、彼に伝えていたんだろうな…と---
でも…、
どうしてそんなにまどろっこしい事を、瑞希はするの?
言いたい事があるのなら、はっきり私に直接言ってくれればいいのに…。
彼の後姿をジッと見ながら、言いようのない不安感に駆られた。
それはきっと…、
隣に諒ちゃんがいないからなんだろうな。
諒ちゃん、怪我は大丈夫?
冷や汗で滲む手の平を、ギュッと握り締めた。
私達は一体…、
どこに向かっているのだろうか?