【完】人形達の宴~通りゃんせ~
その中を諒ちゃんと二人で歩いているのだけれど、私達の恰好は私服。
いつもは制服で歩いているから何となく、この時間に私服を着るというのに違和感を感じて辺りをキョロキョロしてしまう。
まるで悪い事をしているかのように---
知っている人はいないかな?
ドキドキしながら辺りを見ていると、横から視線を感じた。
「諒ちゃん?」
「あんまりキョロキョロしてると怪しく思われるから、堂々としてろよ」
「はーい」
大人びた言い方で私を言いくるめるそれはまるで、子供に言い聞かせているようで---
ちょっと腹が立った私は、頬を膨らませながらプイッと諒ちゃんとは逆方向を向いた。
「………ッ!」
途端、ビックリして思わず立ち止まる。